農家は稼げる?現実は全く違う!跡継ぎ娘として感じていること
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こんにちは。
ことは(@kotohaweb1)です。
いつもことはログをお読みいただきありがとうございます。[/chat]
- 農家に興味がある。
- 週末農家に憧れる。
- 地方移住したら農家をやりたい。
- 農家で稼ぎたい。
でも実際、農家って稼げるの? と不安な方な多いはず。
[chat face=”front_20200801_212504.png” name=”ことは” align=”right” border=”none” bg=”red” style=””]そこで、今回は「農家は稼げるの?」をテーマにしました![/chat]
[box02 title=”*この記事でわかること*”][jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]農家は稼げるのか、について現実を農家の跡取り娘が解説[/box02]
[jin-fusen1-even text=”この記事を書いている人”]
新潟県在住米農家の跡取り娘
田舎で農家をやっている人の現状を赤裸々にお話ししています。
どうしたら稼げる農家になれるのかを私も考えてみました。
参考になれば幸いです。
農家は稼げる?跡取り娘が語る現実
農家は稼げるかですが、結論から言います。
[jin-fusen3 text=”結論”]
稼げません!!
理由は3つ。
[jin-iconbox01]
- ランニングコストのほうが高いから
- 天候や土地の環境に大きく左右されるから
- 作物の価値が下がっているから
[/jin-iconbox01]
1点ずつ解説していきますね。
[jin_icon_number1circle size=”20px” color=”#ffd700″]ランニングコストのほうが高いから
農業をするには、信じられないくらい費用がかかります。
私の家では稲作をしていますので、たくさんの大型機械や貯蔵庫・乾燥機など、高額な農機具が必要です。
すべてを新品で買いそろえるだけでも1,000万円は余裕で超えます。
これに加えて肥料や除草剤などの農薬・水路管理費用・作業着。あげだしたらキリがありません。
機械も永遠に使えるわけではないですから、10年もすれば不具合も出てきて、いずれ寿命を迎えます。
そうすればまた買い替えです。
我が家が米の販売で得ている収益は、会社員の年収以下です。
[chat face=”front_20200801_212207.png” name=”ことは” align=”left” border=”none” bg=”red” style=””]いまやそれも年々下がってきていますが……。[/chat]
そのため、機械が壊れれば、その先何年も赤字経営が確定します。
ランニングコストが高すぎて採算が取れないことは、農家が稼げない大きな要因と言えますね。
[jin_icon_number2circle size=”20px” color=”#ffd700″]天候や土地の環境に大きく左右されるから
どんなに手間ひまをかけて作物を育てても、異常気象や台風などの自然災害が起きたら一発アウトです。
品質が下がり、販売価格も低くなります。
天候や土地の環境は日によって異なります。
何が起こるかなんてわかりません。
データを取っても、そのとおりの環境に誘導するのはとても難しいです。
環境を改善しようと試みるだけで何年もかかりますし、毎日の観察や研究が必須。
また、動物が踏み荒らしたり、食い荒らしたりして作物の等級を下げることもあります。
そのため、自然環境に左右されてしまう点は農家が稼げない可能性を高めていると感じます。
[jin_icon_number3circle size=”20px” color=”#ffd700″]作物の価値が下がっているから
2020年11月に農林水産省が発表した新潟県産コシヒカリの価値は16,776円(玄米60kgあたり)。
ちなみに、2006年には18,272円でした。(農林水産省:『米の相対取引価格・数量』より引用)
※もちろん年によって変動はあります。
これはお米の例ですが、他の作物でも同じ例が見られるかもしれません。
単価が下がると、収入が激減します。
正直なところ、我が家のような小規模米農家には厳しいです。
[chat face=”front_20200801_212207.png” name=”ことは” align=”left” border=”none” bg=”red” style=””]農家で稼ごうと思っても、こういった要因から『稼げる』状態までたどり着けない人が多いんでしょうね。[/chat]
農家で稼げる人はいる
農家は稼げないと、当事者目線でお伝えしました。
それでも『稼げる農家』も一定数います。
たとえば、以下のような環境で働いている農家さんです。
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”16px”]すべて機械化し正確に管理できる環境がある場合
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”16px”]販売している農家そのものに価値がある場合
すべて機械化し正確に管理できる環境がある場合
作るという行為を機械に任せて同じ品質の作物を大量生産している農家さんは稼いでいます。
農業は人力でおこなうもの、という印象が地方の土地では根付いています。
しかし、売ることを目的にするなら、手作業ではもうついていけません。
作物の価値が下がっている以上、安くても安定した品質の作物を大量出荷できる大規模農家さんは強いです。
肉体労働にあてていた時間を、品質管理や研究、また、販路の開拓にあてられますから、経営するという視点でも効率が良いと言えますね。
販売している農家そのものに価値がある場合
一方、小規模の家族経営でも稼げる農家さんがいます。
それは、農家さんに付加価値がついている場合です。
たとえば、同じリンゴを育てている農家さんで印象を比べてみましょう。
A:ブランド銘柄だけど他の農家との違いはわからないリンゴを栽培する農家
B:栽培法が難しく他の人ではうまく作れない品種のリンゴを開発して売っている農家
どちらからりんごを購入してみたいと思いますか?
私ならBのりんごを食べてみたいです。
ほかにも作っている人の知名度で比べてみたらどうでしょう?
一般人Aの作った普通のリンゴより、ちょっと品質は劣るけど超人気イケメン俳優Bが汗水垂らしてつくったリンゴなら、Bのほうがきっと売れます。
つまり、替えのきかない唯一無二感がある農家さんは稼げます。
全国でココだけ。日本でこの人だけが持っている技術がある。そして評価が高い。
これらの要素がそろっていれば、どんなに小規模でも自分自身をブランドにして、なんでも販売できそうですよね。
農家をしながら稼ぎたいなら複数の柱を持つべき
稼げる農家さんには、それなりの条件があります。
なので、農家って稼げそうだな〜 と軽い気持ちで参入すると必ず後悔するでしょう。
私も農家の跡取りとして邁進しています。
でも稼げないとわかっているので、別の収入源を作ろうと常にさまざまな勉強をして複業収入を目指しています。
私は、この記事を読んでくださった方に、農家をしたい気持ちを諦めてほしいわけではありません。
担い手が不足していて困っている現役農家さんは山のようにいます。
しかし、いざやり始めて稼げない!! と挫折してほしくないのです。
[chat face=”front_20200801_211436.png” name=”ことは” align=”left” border=”none” bg=”red” style=””]どうせやるなら楽しくやってもらいたい! と、どこの農家さんも感じているはず。[/chat]
なので、稼げる! を目的にせず、他の目的で始めて、普段は別の柱から収入を得るのがいちばん気持ち良く農業と向き合える方法だと私は感じています。
最後に:農家は稼げると思わないでほしい
この記事では、農家は稼げるのかをテーマに、農家の跡取り娘の管理人が赤裸々にお話ししてきました。
稼げる農家になるのは簡単ではありません。
むしろ稼いでいるのは、一握りの人々だけです。
田舎暮らしをしながら農家で稼ぎたいと思っても、その通りにならず挫折してしまう人も多いです。
それでも、地方の高齢農家さんは腰を曲げて、休まず今日も働いています。
私も稼げる農家になることは目的にせず、環境保全や文化継承といった目的で今は農業をしています。
80歳・90歳になっても、いきいきと働いている農家さんはやっぱりかっこいいですし、そんな方々が残そうとしている農地や技術をなかったことにはしたくないんです。
農業は『稼ぐ』ための手段ではなく『生きがい』になるものとして目を向けてくださったら、就農しても心が折れにくくなるのではないかな〜と思います。
この記事が農家に興味を持ってくださった方の背中を押すことにつながったら嬉しいです!
[chat face=”front_20200801_211436.png” name=”ことは” align=”left” border=”none” bg=”red” style=””]マイナス面も多く伝えてしまったけど、前向きにやっていることが伝わったらいいな〜[/chat]
この記事では、農家の実情をほかにも記事にして紹介しています。
最後までお読みいただきありがとうございました!